去る4月26日、プロ野球広島東洋カープの新井貴浩が2000本安打を達成した。
個人的なお付き合いがあるわけではないが、同じ1977年1月生。ひいきする阪神タイガースに数年間所属していたこともあり、興味のある選手の一人である。悲願達成を素直に祝福したい。
新井といえば、野球ファンであれば誰でも知っていよう。性格は真面目、選手としては大柄で不器用タイプ、守備力や走力は平均以下と言ってよいだろう。学生時代も飛び抜けて注目された選手ではなかった。広島入団時、ドラフト指名順位は6位であった。
おそらく、人一倍、いやそれ以上の努力をしたはずだ。小さなことの積み重ね。まさに永続性。凡事徹底。ここ数年シーズンオフの年明けに、燃え上がる護摩の火を前にして修行を行う新井の姿が、必ずと言っていいほどスポーツニュースでも取り上げられている。信心深い一面と、常に精神を鍛錬する新井の生き様を感じる。
同期の選手として、今後も応援し続けたい。
ところで、社会に出て気付くこと、それは同期の存在の大事さである。実は職場の周りに同期(ここでは同学年、同期入社の意味)はあまりいない。これは企業の大小を問わず、共通であろう。大企業では、同期が一堂に会して新人研修、○○年次研修というものがあるが、中小零細で実施している企業は少ない。
同期は、社会人人生においても刺激となる存在である。特に公務員の世界ではより一層シビアであろう。一方、相談事や悩み事など同期ならではのコミュニケーションもある。いずれにしても、大事な存在であることを示している。
当社では、残念ながら年次研修なるものは開催しておらず、そもそも新卒採用を行っていないため、社内で「同期」という言葉自体、なじみの薄いものになっている。今後の人材確保の観点からも、将来的には新卒採用も視野に入れていきたいのだが・・
しかしながら、正確には「同期」という意味合いとは違うが、それを意識してもらえればと思うイベントが二つある。一つは、以前のブログにも書いた、2年に1度の当社の新年会。そしてもう一つは、お得意様主催の陸上輸送無事故表彰である。
当社の新年会では、永年勤続者を表彰する。10年、20年、25年、そして30年の永年勤続社員に対して表彰。
お得意様の陸上輸送無事故表彰は、5年、10年、15年、20年、25年の無事故乗務員に対して、特に15年以上の乗務員は、東京の某有名ホテルに招待され、お得意様に直接祝福を頂く機会に恵まれる。
つまり、一度一緒に表彰を受けた人は、その後も永年勤続し、そして無事故を継続すると、また同じタイミングで顔を合わせ、一緒に表彰を受けるということになる。
以前、お得意様の無事故表彰式に出席した仙台営業所の乗務員(15年無事故)が、同じく出席していた静岡営業所の乗務員(同様に15年無事故)に、「次回も又5年後にこの場で会いましょう。」と話していたのが印象に残った。
日々の仕事の中ではあまり意識することのない「同期」の存在。しかし、壁にぶつかった時に「あいつならどうするか」と考えたり、良きライバルとして「あいつには負けないぞ」と切磋琢磨したり、悩み事の良き相談相手になったり。
「同期」とは、何も年齢や入社年次が同じでなくてもいいと思う。会社や組織が同じでなくてもいい。その人と共通のもの、同じタイミングのものがあれば、勝手に「同期」と思っていい。相手にどう思われようがそんなことは関係ない。要は仕事を行う上で、自分を高めてくれる人。それを一方的に「同期」と言っているだけのことである。
自分にとって広島の新井は、そんな「同期」の一人である。