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社長ブログ

2016.12.01

戦略より価値観

先日、物流専門紙「物流ニッポン』の記者から一本の電話が入った。「新年の特別号で、若手経営者による座談会を企画している。是非出席頂きたい」と。

座談会テーマは『成長物流企業の勝ち残り戦略』とのこと。毎年新年に特集を組み、多くの経営課題に取り組む中堅物流企業の経営者の座談会形式で、特別号を発刊している。出席予定者を伺うとそうそうたる方々であり、とまどいを隠せなかった。

前回の特別号(今年の1月)は、社業を引き継いでちょうど1ヵ月が経過し、経営者としての第一歩を踏み出した頃であった。そうした何でも吸収しようという多感な時期に、大変興味深い6名の経営者の、先進的かつ独創的な企業経営の内容であったので、その記事を切り抜きして何度も読み、大切に保管していた。

まさかその1年後の今回、自分に打診があるとは夢にも思っていない中での打診。

まずこの1年は、自らの会社をじっくり見ることからスタートした。外部環境の中での自社の立ち位置、そして自社の内部環境はどうなっているのか。経営トップの視点に立って初めて見えるものがある。そこから始めた。

特に上場企業や大企業の非オーナー会社では、短期的な成果を求められるため、何事にもスピードが求められる。当社を含めた中小企業のウィークポイントであり、参考にしなければならないところだ。最近では上場企業に対する評価も短期的な成果のみならず、環境や社会性、企業統治の観点も重要になってきている。上場企業の経営者はこのような環境で仕事をしている。

しかし、この1年はスピードにはこだわらなかった。いや、早急に対処しなければならない、スピード感を持たなければならないものをできる限り限定した。

今回の座談会のテーマにもある「戦略」という言葉。「経営戦略」「事業戦略」「営業戦略」など、企業経営における重要な言葉であり概念である。当社でも毎月「営業戦略会議」を行い、各拠点や事業部における設定課題の洗い出しと、その改善へ向けての進捗管理を徹底的に行っている。

しかしこの1年、最もこだわったのは「戦略」ではない。

「戦略」にも、一般的には1年の短期的なもの、3~5年の中期的なもの、そして長期的なものが必要と言われる。その都度見直しをかけることもあるだろう。事業環境の変化に対応し、変えなければならないものが「戦略」だ。

それでは、企業経営の上で、変えてはならないものは何か。

それは「価値観」だ。

「価値観」を共有していなければ、どんなに素晴らしい「戦略」があっても、それを実践することはできない。意識改革を行い、同じ「価値観」を共有することで、初めて「戦略」に血が通い、生きたものになる。この1年間は「価値観」の共有にこだわった。

そうした理由で、今回の座談会をお受けするのは時期尚早であると考えたが、逆にこの座談会を通じて、先輩経営者自ら語る物流戦略を生で直接聞ける貴重な場にもなるし、この1年間やってきたことを素直に話せばいいと気持ちを切り替え、引き受けることとした。

座談会の詳しい内容は、1月の発行まで待ってもらいたいが、最後に抱負を語った部分のみ紹介する。

「1年目はじっくり見つめ直す年、2年目の今年は行動にでる年」。

2017年は酉(とり)年。飛躍の年にしたい。

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