いよいよ新型コロナのワクチン接種が周りでも始まってきた。自治体によってはバラツキがあるようだが、政府としては65歳以上の高齢者の方々は7月末までに2回の接種が終わる計画だ。最近ではインドで見つかった新たな変異株が猛威を振るなどまだまだ油断できない状況だが、光が見えてきた感がある。我々の世代の接種の機会ももうすぐだろう。
さて、新型コロナのワクチン接種が加速する中で思ったのは、インフルエンザのことだ。我々の繁忙期である冬場に流行するインフルエンザに対して、ここ数年、出来る限りのワクチン接種を社員の皆さんにお願いしてきた。新型コロナと同様に、インフルに感染すると熱が下がっても1週間は自宅療養をせねばならない。同僚に迷惑をかけるだけでなく、本人にとっても稼ぎ時を失う。会社はもとよりお客様にも迷惑をかけるかもしれない。そうならないよう、日ごろの予防対策とともにワクチン接種を促してきた。ワクチンは副反応のリスクや感染を確実にゼロにするという絶対的なものではないが、感染リスクを低下させることは明らかだからだ。
ずいぶんと遅くなってしまったが、先日全社員に対してインフルエンザワクチン接種の状況と感染による休業の実態を確認した。結果として、仕事に穴を空けてはならないという責任感から、事業所(現場)社員のワクチン接種率は高く、一方で本社社員の接種率は低かった。
そして例年は一定数いるインフル感染者がこの冬はゼロ。繁忙期に仕事に穴を空けずにしっかりとお客様の要望に応えられたことが、昨年度の上半期は苦しみながらも年間を通して計画通りに決算を迎えられた要因にもなった。
リスクを未然に回避すること、物流現場の事故防止対策においても同じことが言える。安全管理活動における事故防止対策は大きく2つ、「再発防止策」と「未然防止策」。ここでいうリスク回避とは後者のことで、「安全の先取り活動」と言い換えられる。再発防止策という後手の活動よりも、先取り活動は能動的で創造性があり、推進力も生まれる。そしてより質の高い活動は必ず事故リスクを減らす。この活動のサイクルこそ、事故・トラブルの起きにくい組織を作っていく。
QC/小集団活動(グループ活動)やヒヤリハット運動などの組織的なものから、日々現場で行われる朝礼/点呼、これらすべて安全の先取り活動。真新しいものはなく前々から取り組んでいるものばかり。現場ではこれらの活動の質を高める努力をし、本部ではこれらがなされているか定期的に点検し、質の高いものは称賛した上で水平展開する。本部現場が一体となって「安全の先取り活動」を推進したい。
さて、コロナワクチン接種普及に際して一言。感染者が最も多い東京からの人の受け入れは、地方にとっては不安。日本固有のムラ社会が根底にあり、パンデミック時には排他的な思考となるのは当然だ。コロナ感染においては、地方に住む人の方が東京の人よりも敏感という話も聞く。コロナワクチン接種をしなければ東京からの人を地方の皆さんは受け入れてくれない。
地方への出張にはコロナワクチン接種が義務となるのは必然な流れである。