(本ブログの記載は、2022年12月5日。この日の深夜0時にサッカーW杯カタール大会決勝トーナメント、日本対クロアチアが開催される。)
サッカーW杯は、1990年のイタリア大会から記憶が残る。まだ中学生だった。Jリーグ発足前。日本にとってW杯ははるか遠い存在であった時期だ。ちなみにこの大会の優勝国は西ドイツ。同年、東西に分裂していたドイツは統合する。
1993年。Jリーグが開幕したこの年。翌年のアメリカ大会へのアジア最終予選で起きた「ドーハの悲劇」。高校生だった。中間テスト勉強をしながらテレビ観戦したのを覚えている。本大会でのイタリアのエース、ロベルト=バッジョのスター性に惚れ込み、その後完全にW杯のファンになった。
日本が本大会に初出場した1998年フランス大会。大学生だった。圧倒的な世界レベルのサッカーの前に、日本は1勝もできなかった。本大会直前の選手選考で、三浦カズの離脱には大きなショックを受けた。
Jリーグ開幕して30年の年月を経て、今回の日本のドーハでの快進撃。かつての常識なら、ドイツやスペインという優勝経験国に勝つなんて考えられなかった。冗談でも試合前に勝利を予想できなかった。まさに隔世の感だ。
一方、宿敵韓国は、2002年の日韓合同開催時、なんとベスト4まで進んでいる。日本は過去最高のベスト16で敗退(ベスト16はこの大会含め過去3回)。この大会、韓国は予選リーグでポルトガルを、決勝トーナメントではイタリア、スペインという、ヨーロッパの強豪を次々と破った(その後準決勝でドイツに惜敗)。サッカー界においては、韓国が日本の一歩先にいると言われても仕方がない。今回の日本の快進撃の裏で、韓国もしっかりと決勝トーナメントに進出。それぞれが決勝トーナメント初戦を突破すれば、なんと本大会決勝トーナメントでの日韓戦が実現する。
日本のスポーツ選手が世界の大舞台で活躍する。しかも、最近はガチンコ勝負でも相手に劣らない強さを身に着けている。大谷翔平、テニスの大阪なおみ、バスケットの八村塁、陸上短距離100mのサニブラウン、ラグビー日本代表。かつてのイチローのように、自らの特徴を最大限生かして世界と勝負してきた侍はいたが、体格等の理由もあって日本人がこのように活躍できるカテゴリーではなかった(むろん、イチローをはじめ皆我々が想像を絶する日々の努力がその前提であるだろう)。
今回のサッカーW杯の日本の戦い方もガチンコだ。逃げていない。だからこそ、個々の選手のインタビューの端々に見られる強気の発言。何かに裏付けされた自信を感じる。たわごとには聞こえない。
何事も、まずは「できる」と思うところから。そしてその「できる」を裏付ける日々の生き方。日本代表は、我々に喜びと元気以外にも多くのをもたらしてくれている。