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社長ブログ

2016.11.01

テスラの驚異~アメリカ研修視察2

 ウーバーの衝撃からスタートしたアメリカ研修。ラスベガスで全米トラックショーへの参加、その後シリコンバレーに移動し、日本人起業家やスタンフォード大学のフェロー(大学研究員)による講義を受け、時を追うごとに自らの中で刺激と感動が交錯していった。

 シリコンバレーには起業家が数多く存在する。けっして成功を約束されているわけではない。ただ、シリコンバレーのベンチャーは、世界観やコンセプトが先行している。具体的なプロダクトより、「まず自分たちが社会の何を変えたいのか、どのような価値を生み出したいか」という抽象的な理念があって、そこからすべてのストーリーが始まる。日本のように、「この技術がすごい」というように、商品の具体的な訴求ポイントがあって、そこにストーリーを描く、のとは違う。

視察最終日。個人的に今回の視察の最も期待していたテスラの試乗。石油製品(ガソリン等)の輸送を主力事業としている弊社にとっては、テスラ車の世界的普及は驚異に他ならないが、まずは「敵を知れ」ということで、大変興味を持って臨んだ。

テスラ社は、シリコンバレーを拠点に置く電気自動車の開発・製造・販売会社であり、設立は2003年。世に初めて販売された最初の車両「ロードスター」は、2008年である。大手自動車メーカーに対して、「電気自動車」という看板で対抗。オーナーのイーロンマスクは、シリコンバレーを象徴する起業家であり、もともとは決済サービスベンチャー企業「PayPal(=ペイパル)」社の創設者。今ではテスラ社の他、「スペースX」というロケットや宇宙船の開発を手がける企業のCEOである。

今回は、テスラで開発している自動運転車を試乗させてもらった。今回試乗した自動運転車は、一般的に言われるレベル2(加速・操縦・ブレーキのうち複数の操作をシステムが行う)のタイプであった。

まず驚いたのが、加速。3秒で時速100kmに到達する。電気自動車で、ここまでの性能を有しているのか。

そして自動運転の方だが、ドライバーの前にモニターがあり、センサーにより自車両を中心として周辺の自動車の位置・車間距離を把握・調整。操作性において違和感はなく、人間のそれと変わらなかった。車庫入れにおいても通常の駐車と縦列駐車、ともに完璧であった。

基本は自宅での充電ということで、一晩充電で約700kmと、ガソリン車と同等の距離を走る。日本でも充電インフラが整いつつあり、SSでも増えている他、コンビニや道の駅、高級マンションにも設備されている。

現在の課題は、価格とバッテリーの重量。今年発売する新型モデルは700万円程だが、様々なオプションを付けると最終的に1700万円程になるとのこと。バッテリーも車底に配備しているが、上述の通り一回の充電で700km走るということは、それだけの質量のバッテリーを有している。

 その新型モデルが展示されていたので中に入ったが、まず扉はガルウィング式。そして運転席横にはタブレットのようなものが備え付けられており、扉やボンネット・サイドミラーの開閉、エアコンのコントロール、音楽やナビの視聴は、すべてそのタブレットで操作する。車自体がハードウェアではなくソフトウェアであり、定期的に新機能がアップデートしていくとのことであった。将来的には自動運転トラックの分野にも進出することを、イーロンマスクは発表している。

日本では、水素による燃料電池車が将来主役になるのではと言われているが、インフラやコストの問題等、まだまだ不明確な部分が多い。今回のテスラ社訪問で、電気自動車が主役になる可能性も否定できない、自動車社会における石油の時代の終焉に向け、確実に踏み出していることをあらためて認識した。
blog20161101_1(7人の侍とテスラ車を囲んで)
blog20161101_2(運転席横に備え付けてあるタブレット)
blog20161101_3(ガルウィング式ドアの新型モデルに試乗)

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