全日本トラック協会(全ト協)の依頼で、中小企業庁の外郭機関である中小企業大学校(東大和市)という研修機関で、会社の取り組み事例紹介を発表して頂きたいという話があったのが昨年の8月。
自社の事業や青年部会等のトラック協会活動に積極的に取り組まれているというのが全ト協の人選理由とのこと。なにぶん経営者としての経験が浅く、特別他人に誇れる程の成功事例がある訳でもない。しかしこれも自分にとっての挑戦、このような話を頂くこと自体感謝しなければならないと自身を説得し、快諾した。そしてあっという間に月日が過ぎ、当日を迎えた(平成30年1月18日)。
約30名のトラック運送事業者の管理者が受講。
講座名は「トラック運送事業のための管理者養成講座」。3日間に渡るカリキュラムで、その名の通り管理者を育成するための講義内容となっている。受講生の対象は、東京や神奈川などに本社を構えるトラック運送事業者の管理者。受講生リストを見ると、その中に面識のある経営者の会社から派遣されている方々も数多くおり、人財育成に対する彼らの強い思いをこの場で新たに知る。3日目の最終日午前中という枠で、年齢が20~50代くらいの約30名の受講生を前にプレゼンを行った。
注意したのは、当社の概況説明にあまり時間を掛けないということ。受講生が聞きたい・学びたいのは現場を変える問題解決策のヒントを見つけ出すことである。運送事業者は同業者であって非なるもの。会社規模や歴史もさることながら、扱う荷物によって車両も輸送形態も積込み・荷卸し方法も変わる。会社紹介はできる限り最小限にし、受講生と共有できる課題を選んで、それについての持論と当社の取り組み事例を発表した。
PCの不調でパワーポイントのスライドが
上手く機能せず、若干焦る…。
トラック運送事業者が抱える諸問題は山積しており、この場で受講生と共有できる課題は多い。その中でも今回最も伝えたかったこと、それは管理者に一番大切してもらいたいこととは何か、ということである。
当社としても不変の課題であり、今回の受講生とも共有できる課題が「人財育成」。この講座自体が、派遣元の会社にとってはまさに人財育成の一貫であろう。我々の業界も人財育成の重要性にいよいよ気付き、そして行動を始めている。
人が人を育てる、管理者が次の管理者を育成する。会社が未来永劫続けていくための土台であり、これこそが管理者のもっとも重要な仕事。
そのために、大切にしてもらいたいこと、それは部下としっかり向き合うことで、面談を通じて、部下とあるべき姿・なりたい姿(ビジョン・目標)そして現在値を共有して、そのギャップを上司・部下が一緒になって埋めていって欲しいと伝えた。これは管理・評価ということ以上に、人財育成ということだと。
管理者の仕事が青天井で増えていく中、管理者という仕事を魅力ある仕事にしなければならないのは経営者の大きな使命の一つ。管理者に対する経営者の思いも伝えた。このような研修機関に、人財育成の一貫で社員を派遣している会社経営者は、この思いが共有できるはずだ。
発表終了後に数名の質問から思ったことは、みんな必死に仕事に向き合っている、そして少しでもこの仕事に誇りを感じたい、ということだった。発表終了後、受講生全員と名刺交換。その際に交わす会話からも、皆さんの仕事に対する強い思い、現状を少しでも良くしたいという思いを強く感じた。
今回のミッションを終え、次の予定のため校舎を出た後は足早に西武線東大和市駅まで向かう。帰路の電車の中では、充実感・満足感に浸ることはなかった。
受講生の質問の内容からも、仕事に対する熱意を感じた。