あらためまして、新年明けましておめでとうございます。
本日は、平成31年結城運輸倉庫そして瀝青輸送合同の新年祝賀会に全国各地から集まって頂き、誠にありがとうございます。創業96年目を迎え、いよいよ100年に向けてカウントダウンが始まる中、170名を越える結城グループの仲間が一同会し、平成最後の新年会が盛大に開催されること、大変嬉しく思います。
石油配送に従事している皆さんは承知のことと思いますが、目下最繁忙期です。本日この瞬間にも各地で懸命に働いている仲間がいること、まずもって忘れないで頂きたい。
ならば敢えてこの時期にこのようなイベントをやらなくてはいいのでは、という意見もあるかもしれない。しかし、この新年祝賀会は結城の伝統です。過去に途絶えた時期もありましたが、新たな年を気持ち新たに皆で迎え、事故防止、商売繁盛を皆と誓う場にしたいという思いから、この成人の日を含めた三連休の真ん中の日曜日に開催しています。そして、創業100年に向けて今結城にとって最も必要なこと。それは結束力。今日の新年会は結束の場でもあるということです。
(2年振りの新年祝賀会、170名の結城グループの仲間が参加した)
今回は、新年会を行うにあたり、テーマを設けました。
テーマは「輪」。これは私が掲げた訳ではありません。先ほどのビデオにもあった通り、新年会企画チームのメンバーが決めました。そしてこの「輪」というテーマの下、約3ヵ月間のミーティングを重ねて準備を行い、そして本日の運営の中心を担っています。メンバーは皆それぞれ所属部署の違うプロジェクトチームです。まずはこのチームが「輪」となって結束し、この「輪」を会社全体に広げるのもこの新年会の場となります。
さて、年頭の挨拶ということですが、この年頭挨拶とは何か。それは、会社は今、何と戦っているのか、そしてどこに向かおうとしているのか、それを皆さんと共有するのが、この年頭挨拶の意義です。ただ、このまま私がずっとしゃべっているだけでは、少々退屈だと思う人もいるかもしれないので、パワーポイントの資料を活用しながら説明したいと思います。
昨年、我々にとって非常に関わりのある法律、厳密に言うと2つの改正法案が、国会で可決・成立しました。これについて説明します。
法律の話になると、何か難しい、自分には関係のない話だ、と思う人もいるかもしれない。しかし、法律は規制であり、規制とはルール。ルールは守らなければならないし、ルールは我々自身を守ってくれるものでもある。皆さんの仕事もそうでしょう。ルールがある。そして、この法案、規制を受け身に捉えるのではなく、前向きに能動的に捉え、経営改革に繋げたい。経営改革とは何か。皆さんにとって働き安い会社にする、魅力ある会社にする、これからの厳しい事業環境にも対応できる強い会社にする、そうしたチャンスにしなければならないと考えております。
一つは、働き改革関連法、そしてもう一つは改正貨物自動車運送事業法です。特に自動車運転者、つまりは運転職の皆さんにとってあらためて是非知ってもらいたい、覚えて貰いたい内容を中心に説明します。しかし、運転者以外の皆さんにも関わりがあることです。良く聞いていて下さい。
(働き方改革関連法、改正貨物自動車運送事業法の説明)
当社は、トラック運送事業だけではありません。大きくは3つの事業。運輸事業、港運事業、倉庫事業。細かくは、運送、保管、荷役、沿岸荷役、通関、流通加工、受注、配車、保険、不動産。保険、不動産は本業の付帯業務ですが、それ以外は本業である物流事業です。
当社は、大正12年、1923年11月。私の曾祖父が、その2ヵ月前に起きた関東大震災で被災し、焼け野原と化した帝都東京を、その復旧復興を、物流を通じて貢献するという志のもと、馬車による食料や材木の運搬から始めた結城運送店がその前身です。
現在では6割以上、数年前までは7割の売上シェアを占めていましたアスファルト輸送を含む石油輸送は、戦後の昭和28年から開始しました。創業して30年経ってから取り組んだ、当時では新規事業へのまさに挑戦でした。港運事業部の主要貨物である鋼材の運送荷役は、石油輸送以前からの事業ですが、今では様々な貨物を扱っています。倉庫事業部も、過去様々な荷主にお世話になってきました。
つまりは、創業96年の歴史は、先達から脈々と受け継がれてきた社会的使命、「物流を通じて社会に貢献する」という創業理念を具現化した「永続性」の歴史であり、扱ってきた貨物、育てて頂いたお客様、荷主はその時代時代で異なり、その変遷は当社にとって「挑戦」の連続の歴史であった訳です。「永続性」と「挑戦」は、当社の歴史の産物であり、これからの時代を生き抜くヒントを与えるものです。
そして現在、先に申し上げ、働き方改革への対応の他にも多くの経営課題を抱えています。人手不足、石油需要縮小、人材育成、次世代管理者の育成、運賃・料金問題、環境規制・コンプライアンス、AI・IoT・自動運転などに象徴される技術革新への対応、燃料価格の乱高下、車両制限令による過積載問題、設備老朽化への対応、自然災害への備えとしてのBCPの深度化。そして何よりも大事にしなければならない、安全の確保、事故防止。直面する課題、将来に向けて抱える問題、山積しております。
しかし、どんなに厳しい状況環境であっても、我々は物流という社会性公共性の高い事業に携わっているという物流人としての誇り、「矜持」を忘れず、問題解決のためにチーム結城として結束し、これらの壁を乗り越えていきたい。そして皆さんが誇りを持てる会社にしていきたい。そのビジョンを共有すること、これがこの新年祝賀会開催の真の意義です。
(永年勤続表彰の授与)
昨年3月に、本社で経営方針説明会を行い、中期三カ年計画を発表しました。その肝である3つの経営方針として、
1.事業基盤の強化
2.収益力の強化
3.経営基盤の強化
を掲げました。事業基盤の強化とは、各事業部での顧客へのアプローチ、これからどのお客様と手を携えてやっていくのか。優先順位を明確、選択と集中。運輸事業部で言えば、主要顧客との関係強化とともに、共同配送を視野に入れて各元売りとの関係を築いていく。そして石油需要縮小を視野に入れ、油外と呼んでいる石油以外との新規顧客へのアプローチを進めていきます。収益力の強化では、引き続き運賃・料金の単価アップを各事業部長、そして営業チームを中心に推進するとともに、稼働率向上を受注・配車・現場が一体となって行う。そして、経営基盤の強化とはまさに人財のこと。人材の確保・定着・育成を、本社・現場が一体となって戦略的に行っていくということです。
そしてこの方針を土台として、具体的な目標と施策を定めました。3年後の安全目標達成、給与改革の実現、新人事評価制度による一人一人の成長の促進。
安全目標達成は、本来会社が設定し、指示するものではなく、一人一人が主体的となって事故ゼロのために行動することで達成できるものです。皆が主体性を持つには、成長が実感できる仕組み、成果が評価される仕組み、そしてそれを後押しする給与改革も必要です。
皆さんは、物流人のプロです。プロは責任を果たさなければならない。責任とは、与えられた環境で、成果を出すこと。つまりは、皆さんが設定した目標を達成することです。一方で、目標は一人では達成できない。しかし皆さんの周りには、必ず人がいる。上司がいる。部下がいる。同僚がいる。支え合える、助け合える仲間がいます。
平成が間もなく終わります。新たな時代の幕開けです。
その新時代に向けて、チーム結城として連携の輪を広げ、皆で成長し、それが会社の成長発展に繋がるよう、そして創業100年、そしてさらに10年20年と続く強い会社に、その礎となる1年にしましょう。
皆様にとって、そして結城グループにとって素晴らしい1年になることを祈念して、年頭の挨拶に代えさせて頂きます。
ご清聴、ありがとうございました。
(全体写真)