令和も5年目に入り、時の流れの速さを強く思う新年を過ごしている。もとい、挨拶が遅れました。今年もよろしくお願いします。
母方の祖母が昨年3月に98歳で亡くなり、喪中ということで挨拶は短めとします。少々祖母について触れると、祖母は1923年8月生まれで大正生まれの女性。そして当社が創業する2か月前に誕生した。当社と祖母はいわば同級生。一緒に100年を祝いたかったが、立派な長寿を全うした。
実は祖母が生まれた3日後に関東大震災が東京を襲った。祖母の母は生まれたばかりの赤ん坊を抱きかかえて避難したが、街中が火の海でごったがえす中、避難途中で母の腕から落ちてしまったらしい。だが、本人は怪我一つなく無事だったという。祖母の後日談で事実は定かではないが、この長寿を考えればまんざらうそでもなさそうだ。ちなみに70歳過ぎて初めてスキーをした。これは事実。私を含めて孫たちからは「スーパーばあちゃん」と呼ばれていた。
さて、昨年末の12月は久々に現場廻りに時間をかけた。特に時間をかけたのは、9年ぶりに所長が交代した福島県の小名浜営業所、前所長のねぎらいと新所長、そして所員への激励、に赴き、安全衛生会議にも立ち会った。
小名浜営業所。昨年に外壁塗装を行い、雨漏り対策を実施。
当社の数ある営業所のなかでも、躾(しつけ)が厳しい伝統を引き継いできた営業所であり、長いスパンでみても事故率の低い営業所である。かつては業績が厳しい時期もあったが、今では所員一体となって業務に励み、当社有数の好業績の営業所に生まれ変わった。
当日は小雨がぱらついていたが、帰庫後の洗車は日課であり徹底されている
安全衛生会議冒頭の「安全の誓い五訓」の唱和。指差呼称も徹底。
小名浜営業所に限らず、年末の現場訪問で、随所に現場力の高さに触れることができた。やはり、鉄鋼や石油という重厚長大である基幹産業の物流に従事してきた当社の強みは「現場力」。デジタル化やグリーン化という社会の趨勢に対応するものがある一方、現場力の鍛錬は昔も今もこれからもその重要性は変わらない。そして現場力が強ければ、時代の変化や厳しい事業環境であっても乗り切れることを小名浜営業所の歴史が物語っている。
企業はヒトと違い、100年といっても長寿と考えて満足してはいけない。創業100年目に入った今年は、あらためて「物流現場会社の原点回帰」=「現場力の鍛錬」を経営方針の一丁目一番地として推進していく。